世界の国を評価するにも、いろんなポイントがある。
自然とか街とか歴史的建造物とか
そんななかで、「人」ならこの国かなぁ・・・
と思った国に避難勧告が出ている。
イエメンである。
◎スーラの街のあたりで
自分の旅行経験のなかでは、資源の出ないイスラム国の人々は素晴らしいと思えてきた。
そういえばニューヨークの語学学校に来ていたサウジ出身のガキは
見るからにエラそうで、「こいつほんまもんのクソやな」と思ったものだ。
だが、資源も無くて、そこまで観光客ずれしていない(まぁ、観光客ずれしている
輩もたくさんいたが)この国の人たちはとってもフレンドリーで、道に迷ってる風だと
いかついにーちゃんがヘルプしてくれたもんだ。
イスラム教はスタンスが悪くでると、集団たかりみたいなことになるが、基本みんな助け合いスピリットがよく出ている。
◎ワディ・ドゥアンの集落
イエメンはもともと北イエメンと南イエメンに分かれていた。民主主義と社会主義ではなくて、北の宗教国家と南の社会主義だ。そして、南が他の国々と同様つぶれ、北に吸収された。そもそもイスラム教はマホメットが生まれて死んだ宗主国サウジアラビアからの距離によって強さが変わる。比較的理解しやすいのは女性の服装で、厳しいほど女性の露出が少なくなる。一番厳しいのはブルカという眼だけ出してあとは(黒い)布で全身を覆ってしまうもの。サウジ界隈はたいていこれだ。例えばトルコはかつてイスラムの宗主国だったが、もともとがアラブ人ではないので、女性はスカーフで頭を巻くだけ。イエメンはサウジの隣国だから、宗教意識はとても強い。
◎タリームの街を歩いていた女性たち
さて、イエメンは大きく2つのパートに分けられる。首都サナアを含む高原エリアと東側の灼熱エリア。高原エリアは高地にある分、全然過ごしやすい。もともとイエメンは遥か昔はシバの女王で有名なシバ王国があったところ。また、昔から交易が盛んで、有名なのはモカ・コーヒー。モカというのはコーヒーの品種ではなくて、イエメンにある街の名前。イエメンに限らず対岸のエチオピアあたりも含めて大々的に生産されていたコーヒーの大きな積出港だったため、この街の名前を取ってモカ・コーヒーと命名されたもの。残念ながらイエメンはあまり油が出なかったので近年はしょぼい国になってしまっているが、歴史も伝統もある国で、歴史的な世界遺産もいくつかある。
◎シャハラの石橋、コインの絵に使われるほどイエメンじゃ有名
サナア旧市街、現在内戦により危機遺産に登録されている。この美しい街が少しでも無事に残ることを祈りつつ、次回・・・・
◎シバームの旧市街でサッカーやってた子。今も無事でいますように